lundi, novembre 07, 2005

tractatus.08

複合命題の、複合的な指示対象が存在しない時、その命題は、偽になる。

「「N夫妻は動物園に行く」という命題は「花子は動物園に行く、かつ、太郎は動物園に行く、かつ、花子と太郎は夫婦である」のように分析される、もし結婚していなかったら、「花子と太郎は夫婦である」の部分が偽であるため、「N夫妻は動物園に行く」は偽である」
「aはf」という要素命題を考えよう。「a」「はf」も名である。その指示対象は単純。そのaがいないとき、無意味になる。偽ではない。これは、大切だ。
「というのも、「aはf」は要素命題であるから、その名がいかなる対象をも表さないということになれば、それは単純に像として成立していないものとなり、像でないものに対しては、真とはいえないのはもちろん、もはや偽とはいえない」

ここに、単純なのものと複合的なものの決定的ちがい。名は対象を表す、だからその指示が空振りし、名指されるべき対象が存在しないということになったら、それはもう名ではない。
それゆえ、名ではないものを含んだ表現は、無意味となる。
(ちょっと変に思うのは、性質語で単純といわれている「白い」とかが名ではないときってあるのか)

(でもだいたいはそうなってないよね。何も指示してないような語が入ってる文が無意味だとすぐいえないってラッセルも気づいてた通りだ)
他方、複合的なものを表す表現は、名ではなく、その構成要素に関する記述に他ならない。記述された複合物が存在しないとしても、その記述が偽であったとして捉えられる。(ラッセルの分析に近い)

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